多文化社会学部とは?学べることと国際系の学部との違い

多文化社会学部で学べることと、国際系の学部との違いを紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が文部科学省・日本学術会議などの公的機関と各大学の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。学部・学科の構成や入試方式は年度によって変わるため、最新の情報は各大学の公式サイトで確認してください。

「多文化社会学部」という名前を見て、国際社会学部や国際学部と何が違うのか分からない。そんな高校生や保護者の方も多いはずです。

結論から言うと、多文化社会学部は、いろいろな文化を持つ人が一緒に暮らす社会を、言語や地域研究、フィールドワークを通して学ぶ学部です。この記事では、長崎大学の多文化社会学部を例に紹介します。

読み終えると、多文化社会学部の学びの中身と、国際系の学部との違いが分かります。

目次

多文化社会学部とは?何を学ぶ学部なの?

先に結論

長崎大学の多文化社会学部は、2014年4月にできた国立大学の学部です。国際公共政策、社会動態、共生文化、言語コミュニケーション、オランダ特別コースの5つのコースで学びます。

『多文化って、外国の文化を学ぶということ?』と思う方もいますよね。実は、外国のことだけでなく、いろいろな文化を持つ人がどう一緒に暮らしていくかを考える学びなんです。

長崎大学の多文化社会学部は、長崎市の文教キャンパスにあります。いまは次の5つのコースが紹介されています。

コース公式サイトで紹介されている内容
国際公共政策コースコース名のとおり、国際的な公共政策を学ぶ
社会動態コースアジア・アフリカ・ヨーロッパにかけての社会の変化を、フィールドワークを通して理解する
共生文化コースコース名のとおり、文化の共生を学ぶ
言語コミュニケーションコースコース名のとおり、言語とコミュニケーションを学ぶ
オランダ特別コース1年間のオランダ留学が必修

学部ができた時は、グローバル社会、社会動態、共生文化、オランダ特別の4つのコースでした。いまは国際公共政策コースと言語コミュニケーションコースを含む5つのコースが紹介されています。

学部の中身は年度によって変わることがあります。最新の情報は長崎大学の公式サイトで確かめてみてください。

1年生の前期は英語を集中して学ぶ

学部ができた時の説明では、1年次の前期に英語と大学の入門の科目を集中して学ぶ「Transition Program」が紹介されています。大学での学び方に慣れながら、英語の力を伸ばしていく形です。

社会学部で何を学ぶかの全体像は、社会学部とは?何を学ぶ学部かで紹介しています。多文化社会学部は、社会学の学びを多文化の社会に広げた学部と考えると分かりやすいですよ。

多文化社会学部の学びを3つに分けてみよう

観点を変えると

多文化社会学部の学びは幅が広いので、『多文化共生の現場』『言語』『地域研究』の3つに分けると全体が見えやすくなります。長崎大学のコースを、この3つに当てはめてみました。

『コースが5つもあって、自分に合うのがどれか分からない』と迷いますよね。そこで、学びの中身を3つに分けて考えてみましょう。

学びの3つの要素どんなことを学ぶか近いコース
多文化共生の現場いろいろな文化を持つ人が、どう一緒に暮らすかを考える共生文化コース、国際公共政策コース
言語ことばを使って人とつながる力を身につける言語コミュニケーションコース、オランダ特別コース
地域研究世界の地域の社会の変化を、現地で調べて考える社会動態コース
多文化社会学部の学びを、多文化共生の現場・言語・地域研究の3つの要素に分けた図解

この表は、公式サイトのコース名と説明をもとに、編集部が3つの要素に当てはめたものです。実際の授業は複数の要素にまたがるので、資料のカリキュラムのページで確かめてみてください。

例えば、こんな会話から関心が見えてくることもあります。

「同じクラスに、海外から来た子がいるんだ」
「学校の決まりや給食のこと、困っていないかな」

身近な場面で「一緒に暮らすには何が必要か」を考えたくなる方は、多文化共生の現場の学びに近いかもしれません。

一方で、こんな気持ちから関心が広がる方もいます。

「旅行で行った国の人たち、日本とは家族の過ごし方が違ったな」
「その違いがどこから来ているのか、もっと知りたいね」

こうした「違いの理由」を現地で確かめたくなる方は、地域研究の学びに近いと考えられます。どちらの入口から入っても、多文化社会学部ではつながっていくんです!

自分はどの要素に近い?

次のチェックで、3つの要素のどれに関心が近いかを確かめてみてください。

関心が近い要素を見つけるチェック
  • 外国から来た人と地域の関わりが気になる(多文化共生の現場)
  • 英語やほかの言語を使って、人と話してみたい(言語)
  • 海外で暮らして、その国のことを深く知りたい(言語・地域研究)
  • アジアやアフリカの社会がどう変わってきたかが気になる(地域研究)
  • 現地に行って、人に話を聞いて調べてみたい(地域研究)

当てはまる要素が多いほど、その要素に近いコースが候補になります。いくつかの要素にまたがる方は、コースを選ぶ時期や、ほかのコースの授業を受けられるかも確かめておきましょう。

4年間の学び方のイメージ

多文化社会学部のような国際系の学部では、1年生で語学と入門の授業を集中して学び、学年が上がるにつれてコースやゼミで深めていく形が多いです。長崎大学でも、1年次の前期に英語と入門の科目を集中して学ぶと説明されています。

時期よくある学び方の例
1年生英語と大学の入門の科目を集中して学ぶ
2年生コースの専門の授業が増え、調べ方を学ぶ
3年生ゼミやフィールドワーク、留学でテーマを深める
4年生卒業論文などで、自分の問いをまとめる

この表は一般的な流れの例です。留学の時期やコースを選ぶ学年は、資料の「4年間の学び」のページで確かめてみてください。

国際社会学部・国際社会学科との違いは?

先に結論

多文化社会学部と国際社会学部、社会学部の国際社会学科は、どれも世界の社会や文化を学ぶ点では共通しています。違いは学部名ではなく、どの地域を、どの言語で、何の方法で学ぶかで見るのが確実です。

『名前が似ていて、どれを選べばいいか分からない』という方も多いですよね。公式サイトで確かめられた学部・学科を、同じ表に並べてみました。

大学・学部・学科学びの特徴(公式サイトより)必修の留学・研修
長崎大学 多文化社会学部5つのコース。社会動態コースはフィールドワークで社会の変化を学ぶオランダ特別コースは1年間のオランダ留学が必修
東京外国語大学 国際社会学部地域社会研究・現代世界論・国際関係の3コースこの記事の確認範囲では未確認
長崎県立大学 国際社会学部東アジアを重点的に学ぶ海外語学研修と企業インターンシップが必修
東洋大学 社会学部 国際社会学科フィールドワーク軸の学び、社会学・文化人類学・地域研究、高度な語学教育この記事の確認範囲では未確認

同じ長崎県にある長崎大学と長崎県立大学でも、学びの組み方はずいぶん違いますよね。

例えば、ヨーロッパの国で暮らして学びたい方は、長崎大学のオランダ特別コースが目に留まるはずです。中国語も学びながら東アジアに目を向けたい方は、長崎県立大学の学び方が近いと考えられます。

国際社会学部については、国際社会学部とは?国際学部との違いでくわしく紹介しています。

よくある失敗

「多文化」や「国際」という名前の印象だけで、どれも同じような学びだと決めてしまうことです。コースの名前、必修の留学や研修、学べる言語まで資料で比べてみてください。

社会学部の中でも多文化を学べる

多文化のテーマは、社会学部や人文社会系の学部の中でも学べます。社会学部の中の国際社会学科については、社会学部の国際社会学科・観光学科で紹介しています。

東海大学の文化社会学部も、「多文化理解」をキーワードの一つに挙げています。「文化」の見方から「社会」を考える学部で、アジア学科や北欧学科など6つの学科があります。

例えば、岩手大学の人文社会科学部では、人間文化課程の柱の一つに「多文化共生」を掲げています。同志社女子大学の現代社会学部社会システム学科にも、多文化共生コースがあります。

多文化社会学部でよくある相談

先に結論

多文化社会学部についてよく寄せられる相談を3つ選び、公式サイトで確かめられることと調べ方を中心にお答えします。合否の予想や大学の優劣ではなく、自分で確かめる方法をまとめました。

相談1:多文化社会学部に似た学びの国公立大学はある?

同じ学部名の大学を探すより、学びの中身が近い学部を探すと候補が広がります。国立大学なら、東京外国語大学の国際社会学部や、琉球大学の人文社会学部も候補に入ります。

東京外国語大学の国際社会学部では、1年生と2年生の前半で3つのコースの導入の科目を一通り学びます。現代世界論コースには、社会学や人類学、ジェンダー論などの授業もあります。

琉球大学の人間社会学科の社会学プログラムでは、平和の問題や多文化共生など、沖縄ならではのテーマを学べると紹介されています。国立大学で社会学を学べる学部の探し方は、国立大学の社会学部で紹介しています。

相談2:学校推薦型選抜を受けたい。何から確かめればいい?

学校推薦型選抜は、出身高校の校長の推薦にもとづいて、調査書を主な資料にする入試です。国の要項では、面接による評価を行うことになっています。

まずは受験する年度の募集要項で、出願の条件と試験の内容を確かめてみてください。推薦の条件は大学ごとに具体的に決められているので、担任の先生にも早めに相談しておくと安心ですよ!

相談3:入試の英語や総合問題が難しいか知りたい

難しさの感じ方は人によって違うので、編集部ではお答えできません。ただ、どんな形の問題が出るかは自分で確かめられます。

大学の公式サイトで過去の入試問題を公開していないか、まず探してみてください。オープンキャンパスで「総合問題ではどんな力を見ていますか」と聞いてみるのも一つの方法です。

入試の方式の名前と科目は、年度ごとに変わることもあります。受験する年度の要項を手元に置いて、方式ごとに科目を書き出しておきましょう。

多文化社会学部を調べる手順
  1. 気になる大学のコースの名前と内容を書き出す
  2. 必修の留学や研修があるか、時期と期間を確かめる
  3. 学べる言語と、英語の授業の進め方を見る
  4. 受けたい入試方式の名前と、試験の内容を確かめる
  5. 分からない点をメモし、オープンキャンパスで質問する
多文化社会学部を、コース・留学・言語・入試の順に調べる手順の図解
保護者の方と一緒に確かめたいこと

留学が必修のコースでは、学費とは別に、渡航や滞在の費用がかかることがあります。金額は年度によって変わるので、資料や個別相談で、保護者の方と一緒に確かめておくと安心です。

気になる大学を2〜3校に絞って、資料を手元に並べてみましょう。社会学部がある大学全体の探し方は、社会学部がある大学の探し方で紹介しています。

社会学部ドットコム

気になる社会学部の資料を取り寄せて比べたい方へ

社会学部は、同じ学部名でも学科・コース・取れる資格・キャンパスが大学ごとに違います。気になる大学を2〜3校に絞ったら、資料を取り寄せて同じ観点で見比べるのが近道です。資料請求で確かめたい点と、届いた資料の見比べ方をまとめました。

無料社会学部の資料請求で比べる方法を見る

学部・学科の構成や入試方式は年度で変わります。最新の情報は各大学の公式サイトで確認してください。

よくある質問

多文化社会学部とはどんな学部ですか?

いろいろな文化を持つ人が一緒に暮らす社会を、言語や地域研究、フィールドワークを通して学ぶ学部です。長崎大学の多文化社会学部には5つのコースがあります。

多文化社会学部はいつできましたか?

長崎大学の多文化社会学部は、2014年4月に設置されました。設置の時は4つのコースで、いまは5つのコースになっています。

多文化社会学部では留学が必修ですか?

長崎大学ではオランダ特別コースで1年間のオランダ留学が必修です。ほかのコースの留学の扱いは、資料で確かめてみてください。

多文化社会学部はどこのキャンパスで学びますか?

長崎大学の多文化社会学部は、長崎市文教町の文教キャンパスにあります。

国際社会学部とは何が違いますか?

どちらも世界の社会や文化を学ぶ学部で、学部名だけで違いは決まりません。どの地域を、どの言語で、何の方法で学ぶかで比べてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 多文化社会学部は、いろいろな文化を持つ人が一緒に暮らす社会を学ぶ学部
  • 長崎大学の多文化社会学部は2014年4月設置で、いまは5つのコース
  • 学びは「多文化共生の現場」「言語」「地域研究」の3つに分けると見えやすい
  • 国際社会学部などとの違いは、地域・言語・方法と必修の留学や研修で比べる
  • 社会学部や人文社会系の学部でも、多文化のテーマを学べる
社会学部ドットコム

社会学部ドットコム 編集部

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